★税理士三瀬のコーヒーブレイク★7
『優しさの輪』
昨今、新聞マスコミ等における合言葉は・・・
相続税対策をしましょう!
相続対策をしましょう!
といった大々的なキャンペーンが展開されています。
(実は私もその一人ですが・・・。苦笑)
だからといって、すべてを専門家にお任せでは何の解決にもなりません。
これはアメリカ先住民の寓話です。
昔あるところに、二匹のカワウソが一匹の魚を奪い合って口論していた。
そこへ一匹キツネが通りかかり、問題を解決するために力を貸そうと申し出ました。
カワウソたちは行き詰った状況に苛立っていたので、その提案を受け入れました。
すると、キツネは魚を三つに切り分け、
一匹のカワウソに頭を、もう一匹のカワウソに尻尾を与え、
胴体は「裁判官」の手数料として自分のものにしました。
この寓話は、争っている相続の現場においてもあてはまるような気がします。
相続人同士いがみ合っていると、勘定が感情となりキツネ(専門家等)のように、
それにつけ込んで利益をさらおうとする人が必ず現れます。
その事実に少し視点を移せば、
対立していた相続人同士での解決策が見つかるはずです。
ある本に書かれていた名言を紹介します。
『正しさと正しさがぶつかると争いになる。優しさと優しさはぶつからない。
ふたつの優しさが出くわしたら、大きな優しさとなる。』
相続の現場は時として相続人間の争いが生じます。
それはどちら側にたっても正論です。だけど、正論は時に相手を傷つけます。
相続円満のキーワードは“協力”と“優しさ”のような気がします。
過去や現在の不満より、
両親や先祖に対する感謝と相手に対する優しさに目を向けることです。
そのキッカケ作りとして、我々のような専門家の話に耳を傾けてもらえたら、
これ以上の喜びはありません。
★税理士三瀬のコーヒーブレイク★
『信じて託す』
自称、夏男。夏でもコーヒーはホットです。
メルマガコーヒーブレイクは経済・社会が日々変化していくと同じように、日々、
朝令暮改に変化します。例えば1ヶ月前に言ったことと、今言っていることに違い
があるかもしれません。それは、IT業界と同じで、日々、法的なコンサル手法も
変化していくためです。できれば、フレッシュで新規に活用できる情報を皆様に
提案したい。そんな気持ちを大切にしておりますので、末永く付き合いください。
さて、今月号のお話は“相続税対策”と“相続対策”のお話です。
これって、書籍やマスコミ等の報道では、猫も杓子も同じように議論していますが、
まったくもって別物です。
相続税対策は税金を合理的な方法で、生前から少なくなるようにすることです。
一方、相続対策は、相続時に兄弟姉妹間、親子間でもめないようにすることです。
同じ相続でありながら、解決ルートはまったく違います。
たとえるなら、富士山に登るための対策とヒマラヤに登る対策は、
同じ山でも装備や知識、体力に違いがありますよね。
誤解を恐れずに言うなら、
相続税対策をすればするほど、相続時に時限爆弾のようにもめる可能性が増えます。
なぜか!?
相続税対策の基本は贈与です。
相続税対策として、例えば、特定の子供に生前から集中的に財産を贈与すれば、
相続時に特別受益(過去の贈与分)として、他の相続人に文句が出ます。
遺言書を書けば、その二つのトレードオフ問題はクリアできますと専門家が
言うかもしれません。しかし、決して万能薬ではありません。第一に遺言書を作成
するまでに、大勢の方は躊躇します。
そこで、新たに今、スポットを浴びているのが“(家族)信託”です。
あ!難しい話は苦手。と拒否反応を起こす方、安心してください。
信託は契約によって手軽に自由に、そして容易に実行できます。
さらに言えば、相続税対策と相続対策を同時に解決できるツールです。
例えば、中小企業の経営者の方であれば、
「相続税対策として、生前に自社株を贈与したいけど、まだ、後継者に集中的に
支配権を移すのは、躊躇するよね~。」
「もし、長男が先に亡くなった場合、その株式は長男の妻に移ってしまう!」
また、地主の方であれば、
「兄弟間でもめないように、長男に不動産を集中させながら、かつ税金の負担も
軽くしたい」
信託はこんな相続にまつわる税金、承継、争いといった悩みを総合的に解決します。
遺言書との決定的な違いは、『手軽さ』と『柔軟性』と『応用性』が圧倒的に
優れている点です。生前から相続税対策を実行しながら、なおかつ財産の承継を
自ら意志により代々まで決めることができます。
信じて託す。
ぜひ、私に皆さんの財産を託してみませんか?
PS:「私を信用してください」という人ほど、信用できない人はいません・・・。(自訓)