知って得する相続・税コラム「不動産投資を成功に導く節税とリスク回避」 6回目

今回は、不動産M&Aについて説明します。

そもそも、不動産M&Aって何?と思っている方も多いと思います。

 

不動産M&Aとは、会社が所有する不動産を売買するのではなく、不動産を所有している会社の「株式」を売買する手法です。

 

要するに、現物の不動産ではなく、「株式」を購入し、不動産を所有している会社をまるごと買い取るイメージになります。

 

買主は、不動産所有会社の株式を取得することで、実質的に現物の不動産のオーナーになります。

売主は、不動産所有会社の「株式」を売却することで、会社ではなく株主が直接資金を得ることができます。

 

具体的にそれぞれの立場からメリット・デメリットを整理しましょう。

 

【売主のメリット】

・売却代金に対する最終の手取り額が多い。

 

現物の不動産を売却した場合、その売却代金は当然、会社に入ります。

その資金を最終的に個人オーナーに還元する場合、役員給与で受け取るしかありません。

その場合の手取り割合は以下の通りです(細かな計算は省略)。

売却代金×70%(法人税30%控除後)×44%(所得税控除後)=31%

なんと!最終の手取り額は売却代金の30%ぐらいしかありません。

 

しかし!株式売却であれば

売却金額×80%(所得税控除後)が個人の手取り額となります。

 

最終の手取り額は、こんなに差がでてます!

 

【売主のデメリット】

・あくまでもM&Aのため、手続きは煩雑である。

・仲介手数料が不動産売却に比べて高額になりやすい。

 

【買主のメリット】

・不動産を直接取得する場合に要する不動産取得税、登録免許税が不要である。

 

【買主のデメリット】

・あくまでもM&Aのため、簿外債務の確認等の手順が必要になる。

 

以上、簡単に説明してきました。

不動産M&Aを活用することで、当事者双方とも税務メリットを受けることができます。

 

今後、不動産M&Aを不動産売却をする際の一つの選択肢として検討することをお勧めします。