相続税の還付 最前線
「相続税の更正の請求」という制度について考えてみたいと思います。
TVのCMで、「払いすぎた利息は返ってくるかも!?」というキャッチフレーズをよく耳にするかと思います。
同じように、「払いすぎた税金はかえってくるかも!?」
それが、更正の請求という手続きです。
まず、平成29年7月23日の日本経済新聞の記事の一部抜粋です。
『「複数の助言」納税で浸透 相続で対象拡大 過払い防ぐ』
中小企業経営者や個人事業主が税務申告などの際、顧問税理士とは別の税理士に意見を求める税金版「セカンドオピニオン」の利用が広がっている。相続増税に伴う納税対象者の拡大が背景にあるとみられ、巨額還付に至ったケースも。専門家は「最新の納税知識に基づく第三者の意見を聞きたいというニーズが増えている」と指摘する。
(中略)
財産約10億円を相続した男性は当初、地元の税理士に手続きを委ね、相続税約2億円を納付した。しかし、納税額に疑念が生じ、相続税に詳しい○○税理士にセカンドオピニオンを依頼した。
○○税理士の直感は的中。申告では土地価格の評価を減額できる制度を活用しておらず、過大納付が判明した。税務当局に請求した結果、1億円近く還付されたという。男性は「相続税の判断は素人には難しいが、プロの税理士でもこんなに差があるのかとびっくりした」と振り返る。
(後略)
この日経新聞の記事にもありますが、相続税の申告は申告書を作成する税理士によって納税額が変わってきます。
それだけ相続税の評価はグレーゾーンが多く、解釈が難しいからです。
ここで、みなさんに質問です。
あなたが、もしガンの手術する場合、どんな医者に手術を任しますか?
1年に1回手術をするかしなかという外科医に自分の命を預けることができますか?
ふだんのかかりつけの医師とは別に、緊急的・専門的な手術であれば、やはり、実績と経験のある医師を選択するはずです。
税務申告も同じだと思います。
普段の法人税や個人所得税の関与税理士が、相続税の申告に精通しているとは限りません。
その意味では、今後は、セカンドオピニオンの制度を、ぜひ税金の中でも活用したいものですね。