信頼をつくる書面添付
三瀬義男です。
今さらながら、相続税申告における書面添付制度の大切さに気が付きました。
このことに気が付いてから、よりいっそう、相続税を申告する相続人に知ってもらいたいと思います。
書面添付制度とは、税理士が相続税申告を作成するにあたって、どのような資料や法律に基づき計算したのかを、書面にて税務署に説明する制度です。
実際のところ、この書面添付は普及していません。
納税者(相続人)も、当然、この制度のことをあまり知りません。
なぜ、普及しないのか?
理由はいろいろあるかと思いますが、一番は、税理士側の意識だと思います。
書面を作成するのに手間がかかる。
書面に残して、間違っていた時に、責任を追求される。
だけど、この機会にぜひ、相続税を申告する相続人の方には知って欲しい。
この制度の納税者の方にとってのメリットは、2つです。
一つ目は、各財産の評価方法を正しく知ることができることです。
税理士にお任せだった申告を確認する機会を持つことができます。
私は、書面にて報告し説明する際に、財産漏れや間違えに気づくことが多々あります。
専門家でも間違いや勘違いがあります。
けれども、相続人へのヒアリングや確認により間違いを訂正し、納税者にとって有利な事実を発見することができます。
相続人さんとのコミュニケーションの分だけ、相続税の申告の精度はあがります。
そのツールが書面添付制度です。
二つ目は、税務調査への抑止力です。
100%、税務調査を回避することはできませんが、少なくとも、税務署に対するアピールにはなります。
つまり、書面にて相続財産の説明をしているわけですから、税務署の信頼には応えているということです。
税務署が疑問に思うことを、先回りして書面にて回答しているということです。
書面添付は税理士と納税者と税務署をつなぐ架け橋です。
それぞれの信頼関係を構築するツールとして、積極的に活用したいものです。
読んで頂き、ありがとうございました。