亡くなった方の痛みを知る

 

相続人から生前のお母さんの話を聞く。

病気で苦しみ、15年間も闘病生活を送った。

 

看病をする者もつらいが、それ以上に、苦しむ母の姿を見ることがとてもつらかったと。

 

1時間近く、病気の話に耳を傾ける。

どうすることもできないけれど、ひたすら相続人の話を聞く。

時には、想像絶するような亡くなり方を知る。

 

いつも、いつも、楽しい話ばかりではない。

前向きになる話ばかりではない。

 

何一つ救うことはできない。

だから、時間の許す限り、聞き続ける。

 

それで、少しでも、気持ちが楽になるのであれば。

 

相続税の痛みは、ある程度、法律やノウハウによって緩和することはできる。

ただ、亡くなった痛みは、当事者しかわからない。

 

死という絶対的な現実に対して、無常の世界を感じずにはいられない。

 

それは、どれだけ節税できたとか、どれだけの相続税であるとか、という目に見える世界とは別の次元として存在している。